まずは監督すること

監督官庁の仕事と言えば、まずは、しっかりと民間事業者を監督することです。
この「公」による「私」の監督、という考え方は、どこか、社会主義的です。
ただし、「私」(=民間)の自由にしておいていい分野と、
一定程度、規制をかけていかなければいけない分野は、あります。

たとえば、金融分野。
金融庁が、監督官庁ですね。
基本的に、金融分野において、企業側と、利用者である国民との間には、
大きな情報格差があることが一般的です。
不動産分野も同じですね。
こうした分野については、やはり、行政(公)による監督が必要でしょう。
監督が為されない場合、業者が、「やりたい放題」となってしまうリスクが高いからです。

(ものすごく極限してしまえば、”悪徳〇〇業者”と呼称の付きうる業界については、規制が必要ですね。たとえば不動産の場合、「悪徳不動産業者」などと、よく言いますよね。勿論、顧客思いの、素晴らしい不動産業者も存在しますが、中には、そうでもない業者もいる、ということです)

そして、育てていく視線も

監督官庁だからといって、監督・監視ばかりやっている、というのは、おかしな話です。
やはり、業界を育てていく、という観点も必要でしょう。
そういう意味では、監督官庁にとって、自分の管轄業界は、子供のような存在かも知れません。
放っておけば暴走する恐れがあるが、
しっかりと愛情をかけて育てていけば、いつかしっかりと、芽を出すかもしれない、ということです。

監督官庁OBの天下りは…

監督官庁から、その監督下にある業界の一企業へと天下り、というケース、よく聞きますよね。
個人的には、あまりいい印象はありません。
民間企業側としては、
「監督官庁OBを受け入れれば、行政サイドの知見を得ることが出来る」
などといいますが、
行政側の考え方や情報が聞きたければ、行政の窓口へ出向けばいい、というのも言えます。
逆に、行政の窓口では教えてもらえないような情報を、監督官庁OBからなら入手できる、というのならば、それは、一種の不正です。

OBを入れておけば、監督官庁からの目が甘くなる、というのも、一説ですが、これは実際の実務の現場においては、どうなんでしょうか?
監督官庁から退職しても尚、その官庁に絶大な影響力を持ち続けるようなOBって、存在するのでしょうか?